音作りに入る前に!ギターの音を良くする基本のキ!
2017年10月19日
こんにちは、ギター好きのヒミツ基地「楽器奏庫」のトミタカです。
先日、自宅の掃除をしていたら、初めてライブをしたときの映像が出てきました。
それは30~40人くらい入る広さのスタジオでのライブだったんですが、(一丁前に)照明の演出考えてたり、ボーカルとギターとベースとドラムのそれぞれでソロタイムを設けたりとか、当時なりに真剣にやってたのを思い出しました。
まぁ、リハの段階で気合が入りすぎて本番始まる前に全員バテバテだったりとか、メインで使ってたギターの音抜けが良くなくて急遽借り物のギターを使ったら本番にトラブるとか、ソロで当てる照明の光が弱すぎて何も見えないとか、恥ずかしくてあまりMCをはさまずに演奏し続けるとか、もう、なんかひたすらニヤニヤします。
ニヤニヤ。
その数年後にボーカルとキーボードが結婚したり、もう1人のギターがお店を開業したり、ベースが組んだ別のバンドのお手伝いしたり、ドラムは田舎に帰ったり。
あらためて観てみるとコレはこれでイイ思い出だなって感慨もひとしおでした。・・もう一回観るには、なんかのゲージを溜めないと無理そうですけれども、ね!
さて、そんな頃をふりかえって、当時の悩みの種だった「ギターの音作り」に関して触れてみます。
ギターの音作りはピックアップをはじめとした各パーツ、アンプ、エフェクターなどの機材もモチロン大事ですが、もっと基本的なところを変えるだけでも結構な違いが生まれますので、参考になれば幸いです。
- まず見直すなら「弦」
- 次に「ピック」
- やはり「シールドケーブル」
- まとめ
まずは「弦」
言うまでもなくギターは弦を使った楽器ですが、実はその弦自体でギターから繰り出される音色や弾きやすさは大幅に変化します。
例えば、弦のハリ(テンション)が強く感じられる弦なら音色がクッキリしていて鋭く硬く、柔らかな弾き心地の弦なら音が太くて輪郭の丸いマイルドな音色に聞こえます。
⇒ 音色が鋭くクッキリしている。
ピッキングによるニュアンスが出やすい。
ロックやメタルのように音を歪ませても聞きとりやすくなる。
⇒ 丸く太い音色は、ピッキングのニュアンスは出にくくなる。
ジャズやブルースなど情緒のあるフレーズにマッチする。
弾きやすさ自体は慣れによるところもありますが、最初はライトゲージ(09-42)からスタートし、もっと太い音が欲しくなったらレギュラーゲージ(10-46)にして比較すると、音の太さや弾き心地の違いをわかりやすく感じられると思います。
その弦にも様々なメーカーから発売されていて、それぞれに特色があります。
ここではエレキギター弦の代表的なモデルを挙げてみました。
D’addario (ダダリオ) XL Nickel Round Wound
レニー・クラヴィッツ、パット・メセニー、ジョシュ・クリングホッファーなど名だたるトップミュージシャンから支持を誇る、エレキ弦のスタンダード。
テンション(弦の張り)は強めので輪郭のハッキリとした明るく鋭い音色です。
弦の付け根部分にあるボールエンドが各弦で色分けされているのが特徴です。
多彩なラインアップがあり、科学的な観点からテンションのバラツキにメスを入れた「バランステンション」シリーズなど、革新的なモデルを続々と生み出しています。
世界中の楽器屋で入手することができるのも強みといえます。
ERNIE BALL (アーニーボール)Electric Slinky
ダダリオと人気を二分するエレキ弦の老舗がアーニーボールです。
エリック・クラプトン、ジェフ・ベック・ポール・マッカートニー、キース・リチャーズ、ジミー・ペイジ、スラッシュ、日本では高崎晃、SUGIZO、横山健、斉藤和義などなど、実に多くのプロギタリストに愛用されています。
あまり弦のテンションが強くないわりに音の輪郭もしっかりと出ているので、オールマイティに使えます。
アーニーボールも8弦ギターや9弦ギターに対応した弦などバリエーションが多彩な上に、世界中の楽器屋で入手できる、まさに定番中の定番です。
Elixir (エリクサー) Electric Guitar Strings
数々の楽器メーカーが出荷時の弦にも採用している “エリクサー” は、弦をコーティングするという画期的な手法を取り入れたメーカーです。
手の汗や脂などでさびやすい弦に独自の技術でコーティングを施したことで、普通の弦よりも3~5倍長持ちするようになったばかりか、演奏中に左手を動かすとキュッキュッと鳴るフィンガーノイズの低減をも実現しました。
現在は「POLYWEB」「NANOWEB」「OPTIWEB」 という3種があり、それぞれで音色や弦のテンションは異なるものの長持ちする分、きらびやかな音色が印象的。
他のメーカーよりも価格は少々お高めですが、それだけの価値はありますよ!
これらは定番といわれる一例に過ぎませんが、新商品が出たらまず試してみるというプロミュージシャンも少なくはありません。
弦の交換自体はそれほど難しい作業ではありませんのでドンドン試して、マイフェイバリット弦を見つけましょう!
ピック”を手にとってみよう
前述の弦をはじく際に使う“ピック”もまた音色や音量、弾きやすさに影響しますが、ピックは実に多種多様なバリエーションが存在します。
演奏するジャンルやピックの持ち方などによって、どれが弾きやすいと感じられるかは人によって異なります。
ここではとりあえず代表的な形・厚さを挙げてみましたが、これに素材を組み合わせると選択の幅はさらに広がりますので、ぜひ普段と違うピックも手にとって比べてみてください。
意外な組み合わせから自分向きのピックが見つかるかもしれませんよ?
ピックの形
ピックの形は大別すると2つに分けられます。
まず、「ティアドロップ」 は涙とかしずくの形に由来しており、指で持つ部分よりも弦に当てる先端部がシャープになっているのが特徴。
ひっかかる面積が少ない分、単音が弾きやすいタイプになります。
対する「おにぎり」はトライアングル型とも呼ばれ、ティアドロップよりも面積が広い分、コードストロークなど大きな振りのピッキングに向いていて音量も出やすくなります。
それに3つの先端部のどれもが同じように使えるので長持ちしやすいのも特徴のひとつです。
その他にはティアドロップ型をもっと小さくシャープにしたテクニカルプレイ向きの「ジャズ」、おにぎりの先端をもっとシャープにして持つ部分が広い「トライアングル」、特殊なものに5角形の「ホームベース」型、丸い円形をした練習用ピックなるバリエーションもあります。
ピックの厚さ
ピックの厚さは大まかに分けると3つの種類があり、それぞれ音量や弾き心地にダイレクトに影響します。
- Thin (約0.5mm)=やわらかい
- Medium(約0.7mm)=中間
- Hard(約1mm) =かたい
「Thin=薄い・柔らかい」ピックです。
ピックはしなるので軽いタッチで弾ける分、ピッキングの粒立ちは揃いやすい。
その反面、音のハリが弱くて音量は小さめになります。しなる分、早いフレーズには対応しづらくなります。
「Hard=厚い・硬い」ピック。
しっかりと弦をとらえるので音量が大きく早いフレーズも弾きやすくなります。
その分、弦の反発が大きいので疲れやすく、ピックを持つ手が力みやすい、汗などでピックを落としやすいといった傾向があります。
迷った時はどちらでもバランスのとれるミディアム(0.7mm前後)を選ぶのがよいと思いますが、個人的に初心者のうちは「薄いおにぎり」型をオススメします。
最初のうちは左手の弦を押さえるのに必死で、右手のピッキングはおざなりになりやすいのですが、コードをちゃんと押さえられなくても安定したピッキングができた方が上手く聞こえるものです。
薄いおにぎりピックなら弦に負ける(なめる)ように弾くことができるので、自然とピッキングの粒立ちが揃いやすくなってきます。
次第に無駄な力が抜けてくれば、硬いピックでも同様の弾き方ができるようになりますから、応用の幅はグンと広がります。
手堅く音質を変えたいなら “シールドケーブル” というチョイス
ギターからチューナーやエフェクター、アンプへつなげるケーブルをシールドケーブル(シールドコード)と呼びます。
ピックや弦はギターを弾く最初のステップなのでもちろん重要ですが、ギターから出力された音を外部機器につなげるシールドケーブルも、音色や弾き心地を左右する大切な役割を持ったアイテムです。
最初から付属していることが多いシールドケーブルですから、なかなか買い換えることまで考えないかも知れませんが、シールドケーブルもまた消耗品になりますので、壊れてしまう前にあるいは自分の音に物足りなさを感じられる時にはぜひ選択肢に加えてみてください。
Planet Waves Classic Series Instrument Cables
ダダリオのアクセサリー部門「プラネット・ウェイブス」のシールドケーブルは楽器の音の輪郭や音色の特徴を崩すことなく伝達することで定評があります。
特にクラシックシリーズは安価ながらも、クリアな音像とやわらかで取り回しのよいケーブルを採用するなど、コストパフォーマンスに優れたモデルです。
クラシックシリーズ以外にも、抜き挿しする時に便利なミュートスイッチが付いた「Circuit Breaker」、100% シールド構造の採用による高品質な干渉除去と、ジャック部との相性を気にしない独自のプラグデザインを持った「American Series」など、プレイヤーの目線で考えられた充実のラインナップです。
Belden #8412 “The Wired”
楽器・オーディオ用として絶大な信頼を受ける「ベルデン」社のシールドケーブル。
定番といわれるだけあって他社でも使用される、中低域が強調されたサウンドの#8412ケーブルに、確かな品質で知られるスイッチクラフト製プラグやハンダのKester 44を採用しています。
バンド・アンサンブルの中でも埋もれない音の太さが特徴。
#8412以外に、クリアで音の輪郭が聞きとりやすい「#9395 The British」、バランス重視でジャンルやスタイルを問わない「#9778 The 60′s」といったバリエーションも有名です。
VOX VCC Vintage Coiled Cable
アンプメーカーの老舗「VOX」における看板モデル “カール・コード” (コイル・ケーブル)です。
そのコイル状に巻かれた個性的なルックスは根強い人気を持っています。
ただ、カールコードは縮んでいる状態は約1.5mであっても実質9mもの長さがあるので、ノイズが入りやすい・重い・音質の劣化(音やせ)が目立つといったデメリットもあります。
(だが、それがイイという意見もありますが)
現行品ではケーブルを2重構造にしてノイズの干渉を低減したり、純度の高い伝導体やコネクタに24金メッキ仕上げを採用するなど改良が施されたことで、かなり使いやすくなっています。
なお、使うシチュエーションにもよりますが、シールドケーブルの一般的な長さは3mです。
ケーブルが長くなればなるほど、音質が劣化しやすいのでライブで動き回る人であっても、ある程度の音質を保つには5mがいいところでしょう。
今回挙げたモデル以外にも多彩なバリエーションがありますので、迷ったら憧れのミュージシャンを参考にしてみるのもオススメです!
まとめ
ギターは楽器本体のスペックやグレードのみならず、弦、ピック、シールドケーブル、アンプやエフェクター等の機材との組み合わせによって成り立っている部分が多くあります。
例えば、ハムバッカーを搭載したレスポールタイプのギターを使っていて音がモコモコして聞こえにくいなら・・・
- ブライトな音色になるダダリオ弦に変えてみる
- 音の輪郭が出やすいベルデンのシールドケーブル「#9395 The British」、または中音域が強いので音が聞こえやすい「 Belden #8412 “The Wired” 」を使ってみる
あるいは、その両方を組み合わせてみるといった選択もできるんです。
今回挙げたのはあくまで基本的なものだけですが、それでも数千円レベルの費用で思いがけないグレードアップを果たすのも夢ではありません。
楽器屋さんへ行ったときにはぜひチェックしてみてくださいね!
もちろん「楽器奏庫」でもご相談はお受けしていますよ!
当店のスタッフたちは日々様々な組み合わせを研究してますから、気軽にお声掛けください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
最新記事 by 楽器奏庫 (全て見る)
- 【新入荷】ERNIE BALL John Mayer Silver Slinky待望の入荷! - 2024年10月23日
- 【Sound Power Up Saleアイテムご紹介】 - 2024年10月11日
- 【Sound Power Up Sale開催中!!】 - 2024年10月3日